ACP(人生会議)研修 その2
2020年1月29日(水) 近畿中央呼吸器センターで開かれた,アドバンス・ケア・プランニング研修(STEP 3), その2に参加しました.
昨年末に開かれたその1の続きとなります.
その1で四分割表を用いて抽出された患者さんの問題点を解決するためのコミュニケーションを考えるのが,その2の課題でした.
医療倫理には次の四つの原則があります.
1. 自立尊重原則
2. 無危害原則
3. 善行原則
4. 正義原則
これらの原則は時に対立し,4つ同時に満たすことは難しい.
今回の例題にあるように,末期COPDの患者さんを例に出すと,
患者の希望:苦痛の緩和(自立尊重原則)
苦痛の緩和を行うこと(善行原則)
苦痛の緩和のために鎮静薬を使うことで命を縮める結果となる(無危害原則に反する)
患者が希望する苦痛の緩和(自立尊重原則)を果たすために,苦痛の緩和(善行原則)と行うと,生命短縮を起こしてしまい無危害原則に反してしまう.
つまり原則どうしの対立が起こっています.これに対処するためには,比較考量が必要です.
比較考量とは,対立する原則や規則のうち,特定の状況や事例において重要なものに従う,ということです.
どの原則を優先すべきか比較考量を行うためのコミュニケーションを考える.というのが”その2”の課題でした.
難しいことを書いていますので,皆さんには全く伝わっていないと思います・・・.
簡単に書けば以下のようになると思います.
普段我々が,「IC」や「ムンテラ」と称してやっているプロセスを論理的に書き出している.
患者さんに今後の方針や希望を聞くなど,話をする前には情報収集を行います.
収集した情報を4分割表を用いて分類し,俯瞰的に眺めてみると不足する情報や,対立する事象があぶり出されます.
方針を決定するためには,対立する事象の落としどころを見つける必要があります.
そのために,まず対立する事象がどの原則に当てはまるのかを同定します.
どの原則を優先するべきか比較考量を行うために,不足する情報を聞き出します.
そのときのどのようなコミュニケーションを行うかを考える.
このように理解しました.
なんやら非常に難しく,たかだか1.5時間で数週分のアタマを使ったかのごとく疲労感が強い研修会でした.
ご覧のように活字として説明することはできませんし,どこかで説明しなさいと言われても「・・・・」ですが,少し頭が整理できました.
オチを考える余裕もありませんので,これで今回の記事は終了です.
所先生,瀧本先生 ありがとうございました.
参加者の皆様,お疲れ様でした.