講演会のまとめ
先日(2023年3月8日)緩和ケア Online Seminarにて発表させていただいた,講演内容のまとめのスライドです.
緩和ケアで必要なことはできている・・・
一部界隈では,「在宅」での「緩和ケア」なので,医療必要度の低い患者しかみられない,何もしない,何もできないことを理解してもらった患者さんしかみていない,など思われているようですが,実情は違うことを提示しました.腹水も抜くし,PCAも使うし,鎮静も行うし,グリーフケアも行っています.在宅だから・・・というエクスキューズがあることは事実ですが,一般的な緩和ケアに必要なことはできます.
自宅で過ごすということは「いいことだ」と断言
開院からほぼ4年が経過した今だからこそ,自宅で過ごすということは「いいことだ」と断言できます.がんの終末期では,特有の症状が出現することが多いです.さらに予後2ヶ月以内となってくると,週単位,日単位で患者さんの状態は変化(悪化)していくので,患者さん,介護者の方も大変です.しかし,なんとかなります.全員が最後まで自宅で過ごせるかと聞かれれば,現実として75%の方しか自宅で看取れていませんが,入院までの期間,充実した時間をすごせると思います.これまで関わった患者さん,ご家族の表情を見ていると,表題のことが断言できます.
良い在宅緩和ケアチームが必要
良い在宅緩和ケアを行うには,良い在宅緩和ケアチームの介入が絶対条件です.ただ在宅医療をやっているだけ,がんに不慣れで勉強しようともしない,がん患者の変化の早さに対応できないものが在宅緩和ケアを行うと,患者さんと家族は不幸になります.やはり専門的知識と経験,そしてなにより「優しさ」を持ったチームでないと,不可能だと思います.
講演会で話した内容,伝えたかったことは上記3点です.
これからも選んでいただけるクリニックを目指し,満足していただける在宅緩和ケアチームを作っていきたいと思います.
最後に,座長をしていただいた関西医科大学総合医療センター消化管外科 准教授 徳原 克治 先生,主催していただいた第一三共株式会社の方々に,御礼申し上げます.