堺が目指す,これからの緩和ケア.

11月3日文化の日の祝日,堺市立総合医療センターが主催する地域緩和ケア研修会の一つである「堺が目指す,これからの緩和ケア」が開催されました.

 

午前中,東大阪市の「かわべクリニック」で在宅訪問診療の修業を終えてから向かい,第二部の日本緩和医療学会の理事長である木澤先生の特別講演からの参加となりました.

 

講演の中で印象に残ったこと

循環器疾患の緩和ケア

日本人の死因の1位はがんなどの悪性腫瘍,2位は心疾患です.

 

これまで緩和医療は主にがんの患者さんを対象としてきましたが,心不全患者の全人的苦痛に対しても,多職種緩和ケアチームよる介入の必要性が叫ばれています.

厚生労働省も「循環器疾患の患者に対する緩和ケア提供体制のあり方について」のワーキンググループを開き,方針を示しています.

 

神戸大学での心不全患者さんへの緩和ケアチームの介入状況から,まだまだ始まったばかりで緩和ケアが浸透していない(看取りのためのケアになっている),症状としては呼吸困難が多い,腎機能が低下している場合が多く薬物療法に難儀する等教えていただきました.

がんとは違って,積極的な治療を行えば症状が改善することがあり,どの状況で治療困難と判断し積極的な治療をやめるのか判断が難しいということが印象に残っています.

 

 

ライフレビューと家族アセスメント

家族アセスメントの一環として,家族図を描き,家族内力量をキチンと把握しておくことが大事だと強調されていました.一度も顔を見せなかった親戚の誰々が後々になってやってきて,トラブルとなることがたまにある.

 

私にも経験があります.

がんの末期状態となった男性に対して,本人・奥さんと相談し積極的な治療を中止,BSCの方針となりました.患者さんがお亡くなりになり,奥さんらと「よく頑張ったね」と労い合い,上手くいったと思っていました.しかし,亡くなった男性のご兄弟が突然現れ,「なんでもっと頑張らなかったのか」「なんで勝手に決めたのか」と奥さんが責められてしまいました.

積極的な治療を中止する,死を受けいれるという非常に辛く,ストレスがかかる決断をしてもらったにも関わらず・・・.

 

もう少し我々が気を利かせて,このご兄弟にも合意形成の話し合いの場に参加してもらっていれば・・・.反省です.

 

今後ACP(Advanced Care Planning)の活動が広がっていきます.合意形成の場にいわゆるキーパーソンだけではなく,家庭内力量の高い(強い?)方も参加していただき,皆が納得の上で物事を進めなければ成功しないでしょう.その為に家庭内力量を含めた家族アセスメントが重要だと思います.

 

盗撮

大阪南医療センター緩和ケアサポートチームのウエジマメンバーとモリメンバーを盗撮しました.

二人のビミョーな距離感,ウエジマメンバーが左に寄っているいるのが気になります.

 

妄想は尽きません.

 

もうええわ.