あごマスク,みみマスク,うでマスク

 新型コロナウィルス感染症の広まりを受け発出された外出自粛要請や緊急事態宣言が解除され,3週間が経過しました.私が住む大阪では,自粛要請解除による感染の第2波が危惧されましたが,なんとか抑えられているようです.

 「マスク」に関しては,ほぼ市民権を得たといいますか,着けずに街を歩こうものならば,汚れた物を見るかのような冷たい,攻撃的な視線を浴びてしまうようになりました.感染拡大を防ぐ観点からは,なければならない物,今後も人が集まる場所では,マスクは必須のものになるのでしょうね.

 さて,季節も梅雨となり,連日気温が30度を超える日が続いています.外科医として年中快適な湿度と温度に管理されている手術室に閉じこもっていた勤務医時代と違い,訪問診療という職業柄,日中町中を歩き回っています.そこで気になる景色を目にするので,注意喚起とともに,解決方を提案したいと思います.

 気になっていることは,「誰もいないところで,マスクをしたまま歩いている,自転車をこいでいる多くの人がいる」 ということです.

 確かにマスクは必須の物となりましたが,この30度を超える気温の中でマスクを着用したまま外を歩く,自転車にのるという行為は,自らを熱中症のリスクに晒していることと同義です.

 誰もいない路上を歩いていて,どこからか空気の流れに乗って飛んで来たコロナウィルスが感染することは絶対にありません.

 もしあなたが無症状でコロナに感染していたとして,誰もいない路上でゴホンと咳をしてはき出されたコロナウィルスが大気中にとどまり,後で通過した人が感染することはありません.

断言します.絶対あり得ません.

逆に,マスクを装着したままで外を歩いたり,運動したりしたら,熱中症になる

あり得ます

熱中症,最悪の場合,死に至ります.

誰もいない路上で,他の人はいるけどソーシャル・ディスタンスを十分確保できるぐらいの密集度であるならば,

マスク,外してください!

でも付けたり外したり面倒,何処かへ置き忘れる・・・,

分かります.

では,その解決方法を.

1. あごマスク

その名の通り,マスクをあごにずらして,鼻と口を露出します.これなら熱がこもらず,快適です.人とすれ違うときだけさっとマスクを上げ,通り過ぎたらあごに戻す. これが一番お勧めです.

2. みみマスク

マスクしているとゴムの影響で耳の後ろが痛くなります.あごマスクにすると,顔の構造によっては通常よりもテンションがかかり,痛みが増すかも?

そこで,片耳のゴムを外し,片耳にかけるだけにします.かなり楽になります.

欠点は,風邪で飛ばされる可能性があること.

ですので,風が吹かないオフィス内などで効力を発揮します.

3. うでマスク

腕は,コロナウィルスの感染防御として一番重要なパーツなので,厳重にカバーすることが必要です.

ウソです.

しばらくマスク装着が必要でないような状況であれば,外したマスクの保管場所に困りますよね.

そんな時は,腕につけておきます.

この3種類,病院の中でやっているとICT(感染対策チーム)にこっぴどく注意されますが,病院外ならOKです.

不潔だ,邪道だ,髪の毛伸びたな,

あらゆる批判は無視します.

熱中症にならないために,人がいない場所ではマスクは外しましょう!