自動車運転中にスマホを見た人の末路.厳罰化されるようです.
皆さんは,自動車運転中に何をしていますか?
大きな口を開けて歌っていたり,タバコを吸っていたり,電話をしていたり,朝だとヒゲ剃りやお化粧,夕方だとビールを飲みながら運転するガテン系の人を見かけたことがあります.車の中は外界とは区切られたパーソナルスペースなので,ついついいろんな事をやってしまいますが,意外と他人からは見られていることを認識しておかないと,恥ずかしい思いをするかもしれません.
ビールなどのアルコールを飲みながらの運転は言語道断で,刑事罰が与えられても誰も文句を言うことは無いと思います.しかし,LINEの着信を確認する,Google mapで道順を確認するなど,運転中にスマホの画面を見ることに関してはどうでしょうか? よくある光景ではないでしょうか?
先日,知り合いが,自動車運転中にスマホ画面を見ていたことで警察に捕まったので,ちょっと調べてみました.
罰則
運転中にスマホを見たら,警察に捕まります.実際は,スマホ画面を見ながら運転しているところを警察に見つかったら捕まる,というのが正しい表現となりますが・・・.
とにかく,スマホ画面を見ながら運転することは道路交通法違反で取り締まりを受けます.
根拠は,道路交通法第71条五の五にあります.
自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百二十条第一項第十一号において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。第百二十条第一項第十一号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第十六号 若しくは第十七号 又は第四十四条第十一号 に規定する装置であるものを除く。第百二十条第一項第十一号において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。
つまり,車が動いている時に,スマホを手に持って通話したり,スマホやナビなどを注視したら違反行為ですよ,ということです.
普通車に乗っていてこの違反をすると,いわゆる青切符が切られ,以下の反則金が課され点数が加算されます.
・スマホの使用(保持)違反; 反則金:6,000円 点数:1点
交通の危険といって,事故を起こした場合や交通の妨げになった場合はもう少し重たく,
・スマホの使用(交通の危険)違反;反則金:9,000円 点数:2点
信号無視や一時停止違反と同じくらいの罰則となっています.
しかし,注意が必要です.
「スマホながら運転」の罰則が強化されることが決まったようです.かなりの厳罰化となっています.
現在は,軽微な交通違反ならば反則金を納付することで刑事罰には問われないとする「交通反則通告制度」の対象であったのですが,厳罰化されると,この制度の対象外となります.つまり,青切符→いきなり赤切符となります.
また罰則も,
・スマホの使用(保持)違反;6月以下の懲役または10万円以下の罰金
・スマホの使用(交通の危険)違反;1年以下の懲役または30万円以下の罰金
厳罰化されるようです.
携帯電話使用等違反件数
交通違反で取り締まられた件数で1番多いのは,何違反だと思いますか?
シートベルト? スピード? 一時停止?
内閣府が発表する平成29年交通安全白書に交通指導取り締まりの状況がのっています.
すこし見にくいですが,一位はスピード違反で年間160万件,二位は一時停止違反で130万件となっていて,話題にしている携帯電話使用等違反は堂々の(?)第三位,件数としては96万件となっています.
平成28年一年間で,およそ100万件近く,スマホながら運転で捕まっているのです.
ひょえ〜
96万 × 6,000 = 57億円
新幹線16両の1編成が現金で買えますね!
スマホ画面見たぐらいで,いちいち善良な市民を捕まえる暇があったら,逃げたアイツをとっとと捕まえろ!とか,罰則金を当てにして予算組んでるんやろ!? などと悪態をつきたくなりますが,アイツは無事身柄を確保できたようですし,次のデータをみたら厳罰化の流れは仕方が無いのかもしれません.
スマホながら運転による事故
下のグラフは,原付以上の車を運転中に携帯電話を使用したことによる事故件数の推移です.
年々増加しているのがわかります.
でもたかだか2,000件程度なので,もっと他にやらあかんことがあるんちゃう?と思ってしまいますが,もう一つグラフを追加します.
これは,スマホながら運転による死亡事故の件数を示したグラフです.毎年30人前後の方が亡くなっています.
シートベルト違反であれば,自分や同乗者が吹っ飛ばされるので,自己責任という言葉が当てはまるかも知れませんが,スマホながら運転では全く罪のない人が死ぬことにつながります.そう考えると,30人という数字は多いのか少ないのか?
ちょっとだけ見るくらいなら,たいしたことないと思うかもしれませんが,次のグラフをみると考えが変わるかもしれません.時速と2秒間に進む距離を示したグラフです.
時速40kmで走っていたら,2秒間で約22m進んでしまいます.
20mというと,
マンションでいうとおおよそ6階,東大寺の大仏の高さ,ウルトラマンの半分,ぐらいです.
全部高さなので,わかりにくいかもしれませんが,ちょっとスマホを見ただけで,車はそれぐらい進んでいるのです.
危険ですね〜
まとめ
自動車運転中のスマホのチラ見は取り締まりの対象です.
時期は不明ですが厳罰化されるようで,いきなり赤切符となります.
その背景には,年間30人程度の人がスマホながら運転が原因で命を落としているという事実があります.
加害者とならないよう,ながら運転はやめときます.
皆様もお気をつけください.