感染リスクが高いことは,止めてください

 コロナ第3波,手強いです.

 大阪府で赤信号が点灯してからも,新規感染者数,重症患者数,ベッド使用率などの数字は高止まりしています.

 我々,医療従事者が危惧している事を繰り返し伝えます.

 このまま感染者数が高止まりし,もしくはさらに増加するようであれば,近い将来,具体的には年末年始頃に医療崩壊します.

 医療崩壊と言うと,みなさんは何を想像しますか? 今年の春先に中国の病院に患者が殺到して,大混乱となっていた状況でしょうか? それとも,アメリカで死体安置所代わりに病院の裏口に横付けされたコンテナ車でしょうか?

 もし日本で医療崩壊がおこっても,上記のようなことは起こらないと思います.

 むしろ静かに,当事者になってみないと分からない程度に,気がついたらとんでもないことになっていたというように.例えは悪いですが,「茹で蛙」状態です.

 もう既に,現場では医療崩壊の序章が始まっています.

 病気で通院中のあなた,主治医の先生は「悪くなったら,ガマンせずに,いつでもおいで」と優しい言葉をかけてくれていましたよね.コロナ前は,確かにいつでも受け入れてくれましたよ.かかりつけの患者さんですから.夜中だろうが,祝日だろうが,正月だろうが.私も極力受け入れていました.

 しかし,コロナ中の今は様子がかわりつつあります.かかりつけだろうが,重症だろうが,なんだろうが,受け入れ困難ですと言われる可能性が出てきました.

 コロナ感染患者数の爆発によって,専用病床が不足しています.重傷者だけでなく,中軽症患者向けも.数だけみれば,軽傷者病棟には余裕がありそうですが,それは,府からの要請に応えて,一般病棟をコロナ専用病床に変更しているからです.つまり,コロナ以外の病気の患者さんのための病床は減少し,いざとなった時に入院できない.

「満床です」

 軽症のコロナ患者が病棟でピンピンしている一方で,コロナ以外の病気で重症になっていても,ベッドが空いてないから入院できない.現在通院中の病院であっても・・・.そういうことが現実に起こりつつあります.

 どうしたいい? 何ができる?

 感染者数を減らす

 やはり感染は,マスクをせず,大きな声で密になって話す,歌う,閉鎖空間で時間をともにする,とリスクが高まります.

 年末年始を迎えて,忘年会・新年会,おつかれさん会,カラオケ大会,やりたい気持ちは理解しますが,自重してください.

 普通にお出かけして,買い物して,散策して.これは大丈夫だと言われています.御堂筋のイルミネーションも綺麗です.

 過度な自粛は不要で,感染のハイリスク因子は分かっているのですから,それは避けてください.

 年末年始は,医療者も休みです.確実に手薄になります.この2週間で何とか新規感染を抑えないと,医療崩壊が現実のものとなります.

 がんばりましょう.