はて,どうしたものか? 訴えられてしまった!(うちではないです)

 安倍首相の辞任と菅新首相の就任,有名人の大麻に不倫,自殺など,新たな話題のお陰で”コロナ煽り”がトーンダウンした感があります.しかし,感染者数は下げ止まり,9月の4連休,東京のGoToキャンペーン適応開始など,再拡大するリスクはむしろ増えていると思います.

 高齢者や担癌患者など,抵抗力が弱い方を対象にしている在宅医としては,コロナ感染を予防すべく,極力人混みはさけ,多人数での食事会,密になる店での飲食,趣味のサッカー観戦などをずっと控え続けています.おそらく,マスクをつけ,3密を避け,手指消毒を徹底しているため,日常生活での感染の可能性は低いと思っていますが・・・,100%の安全はありません.

 まだまだコロナ感染に対する多くのストレスを抱えながら日常診療を行っていますが,多くの医療職,介護職が心配していたことが起こってしまいました.

新型コロナウイルス感染症のため82歳で亡くなった三次市の女性の遺族の男性=広島市=が、三次市の訪問介護事業所の運営会社に計4400万円の損害賠償を求めて広島地裁に提訴したことが1日、分かった。担当ヘルパーが訪問を控えていれば母親の感染は防げたとし、運営会社の安全配慮義務違反や使用者責任を問うている。

 訴状などによると、三次市で1人暮らしをしていた女性は4月3日に発症し、PCR検査で9日に陽性と分かった。広島市内の病院に入院し、19日に新型コロナによる肺炎のため死亡した。10日に陽性が判明した50代のヘルパーの訪問サービスを3月23、27、30日と4月2、6日に受けていた。

 このヘルパーは3月31日に発熱と味覚・嗅覚異常があったが、翌日にいったん症状が改善した。原告側は、ほかに母親を感染させたと考えられる人がおらず、ヘルパーの親族にも新型コロナが疑われる症状が出た4月1日までには、自身の感染可能性を十分に認識できたとする。ヘルパーが訪問サービスを回避すべき注意義務を怠り、運営会社に損害を賠償する責任があると主張。運営会社は安全配慮義務を怠ったとも指摘する。

 新型コロナ関連を担当する広島弁護士会災害対策委員会の砂本啓介委員長は「現時点では、全国でも新型コロナに関連して病院や介護施設などの責任を問う訴訟はあまりないのではないか」とみる。

 遺族の男性は中国新聞の取材に対し「ヘルパーを交代させていれば母の命は奪われなかった。運営会社は責任を認めて謝罪してほしい」と話している。中国新聞の1日の取材依頼に対し、午後9時時点で運営会社からの返答は得られていない。 

中国新聞 2020/10/2より引用

  謝罪して欲しい→4400万円の損害賠償

 いろいろと思うことはあります.身内を亡くした家族の気持ちも理解できますし,提訴?という気持ちもあります.

 どうしたものか?

 もし自分が訴えられたら・・・.

 どうしたものか?

 早くワクチンが完成してほしいなあ,と思うこの頃です.

 トランプ大統領,大丈夫?